雑雑読書日記

六十一歳戌年、日々是休日 adobeイラストレーターを独学中。昭和、読書、音楽、映画の他爬虫類の飼育、散歩と下手な写真が趣味。独学記と身近な出来事。

中島らもの読んだ本、積んだ本

中島らもの読んだ本と積んだ本について書きます。

(読んだ本は読書メーターに書いたもの)

 

 

読んだ本

 今夜、すべてのバーで

主人公・小島容がアル中で入院し、そこで出会う人看護師、医師と語る。

そこでアルコール、薬物、タバコについて自身の体験と禁断症状の幻想を混じえながら

進められる小説。普通なら得られた体験を通してアルコール他の恐ろしさを語ることに

なるのだけれどこの話にはそういった説教臭さがないところが好きだ。

後半同室の少年が亡くなった。自分よりずっと若い少年が突然死んでしまい

そのやるせなさを主人公にぶつける。消毒用のエチルアルコールを呑みながら霊安室

医者と語り、殴り合うシーンがとてもよかった。いずれ再読したい。

 

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

 

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僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

中島らもの青春放浪記。60年代から70年代にかけて中島らもの体験したことが

書かれている。現在のようなインターネットやスマホSNS上の仮想体験ではなく

面白いこと、知りたいことは自ら出向くか、調べることが当たり前だった時代。

町や友人、初対面の人との繋がりがごく普通に身近にあった時代でもある。

インターネットや携帯電話の普及とともに、町から個性的な喫茶店や、遊び場が減った

ように思う。便利さは、人との繋がりも希薄にするのではないか。

 

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 (集英社文庫)

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 (集英社文庫)

 

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頭の中がカユいんだ

表題作の他に「東住吉のぶっこわし屋」「私が一番モテた日」

「クェ・ジュ島の夜、聖路加病院の朝」。

表題作を読んでいるうちにこのタイトルの意味するところが納得できた。

多分著者の中島らも氏がとてもテンションの高い状態で書かれたと思う。

「東住吉のぶっこわし屋」はもっと強烈だ。

前に読んで一番好きな「今夜すべてのバーで」が「静」ならこちらは「動」の本では

ないか。アルコールや薬物で躁鬱を繰り返していたと聞く。

現在なら世論からバッシングを浴びるような人も昭和の終わり頃は

まだ寛容だったのだなあ。

  

頭の中がカユいんだ (集英社文庫 (な23-21))

頭の中がカユいんだ (集英社文庫 (な23-21))

 

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積読

 

人体模型の夜 (集英社文庫)

人体模型の夜 (集英社文庫)

 

 

 

さかだち日記 (講談社文庫)

さかだち日記 (講談社文庫)

 

「人体模型の夜」・・・・タイトルがいい!こういうタイトルにはそそられます。

「さかだち日記」・・・・破天荒な氏の日記だからハズレはないと思います。